おすすめ【戦争映画】若者が悪魔になるまでを描いたキューブリックの名作！ - タレント、芸人、ユーチューバーの好きなモノ&おすすめ！

『フルメタル・ジャケット』

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主人公が悪魔になるまでを描く

ベトナム戦争の映画。前半は海兵隊の訓練が描かれ、後半は訓練を終えた若者たちの戦場での様子が描かれます。この映画は、若者が訓練所で洗脳され戦場で悪魔へと変わっていく様を描いた作品です。

生死が希薄な戦場

『プラトーン』に比べ、戦場での若者たちに全く悲壮感はありません。自分が育った町と陸続きのような感覚で戦場にいます。学生ノリで戦場にいる彼らは、気にくわないやつとラップバトルのようにカッコ良く罵り合ったり、子供同士のようにキャッキャとはしゃいでいます。人が死んでもどこか他人事のようです。仲間が戦死し死体に向かって1人づつ言葉をかけていくシーンがありますが、カッコいい言葉がずらずらと並び、死が軽い感じがします。

なぜ死が他人事？

なぜ死が他人事なのか？彼らはまさか自分が死ぬとは思ってないからです。それは現実を受け止めない幼児性にあります。ファンタジーの中にいるような感覚なのです。ファンタジーの主人公は死にません。地元の町ではそれでも問題はないかも知れませんが、彼らは戦場でもその感覚が抜けていません。いつまでも子供の感覚で生きています。だから他人の死はもちろん他人事なのです。映像もどこかオシャレでリアリティのない戦場です。幼児性ゆえに戦場にリアリティを感じられない。そんな若者たちが見る風景を上手く映像として表現しています。さすがスタンリー・キューブリックです！

悪魔の仲間入りをした瞬間！

もっとも幼児性が強い主人公のジョーカーが親友を殺され、ジョーカーは敵のベトコン少女を殺します。彼にとって初めての人殺しです。地獄の一歩手前でじゃれあっていたジョーカーは、悪魔の仲間入りをし地獄へ足を踏み入れてしまいました。

なぜ悪魔に？

なぜジョーカーは人を殺して悪魔になったか？理由は人を殺した罪に耐えられるほど彼の心は強くなかったからです。死をも恐れない全能の悪魔にならないと耐えられない。全能性とは幼児性です。大人ならばその罪を一生背負って現実に向き合って生きますが、子供の彼には無理でした。兵士の訓練所でそう洗脳されたのです。悪魔になるように。死を恐れていないものほど怖いものはない。自爆テロのような怖さです。相手からすればまさしく悪魔です。

職人シーンはココ！

ラストシーン

ラストシーンで、闇夜の戦場をミッキーマウスマーチを歌いながら行軍していく彼らの姿は、狂気に身を染め地獄へと向かう悪魔のようです。エンディング曲にローリング・ストーンズの『黒く塗れ！』がとても印象的です。悪魔に堕ちた主人公が他の悪魔たちともう戻れない地獄へと向かって行軍していくこのラストはやはり職人シーンです！